


実施コンペ『珠洲市おためし滞在拠点デザインコンテスト』の提出案。
珠洲市は令和6年の地震と豪雨によって多くの人の日常が失われ、復興に向けた様々な取り組みがなされている。その一環として、これから珠洲で暮らしたい人と地域がつながる滞在拠点のアイデアを募るコンペが開催された。
珠洲市は、日本海に突き出た能登半島の最先端に位置し、開放的な海と空の風景が広がる人口約1万人のまちである。場所により風景や気候が異なり、豊かな風土が形成されている。
ここでは、単に滞在場所としての「家」を建てるのではなく、建築が建ち人が滞在することによって景観・経済・自然を「再生」し、珠洲に長く続いてきた歴史や文化を次世代に継承することを目指した。
【景観を再生する】風景になじむ滞在拠点
建物は能登の切妻屋根(黑瓦・妻入り)をモチーフとした三角屋根と、外部に大きく張り出したデッキで構成している。
三角屋根はコンパクトに計画した居住空間を包み込んでおり、建物の構造は、ヤジロベエのように棟柱を支える杭から両側に床をはねだす形式とした。これにより基礎を最小限にし、周辺環境への影響を極力小さくすることを狙っている。
【経済を再生する】商いの場としての滞在拠点
移住のためには、仕事や経済活動の場が必要となる。
店舗やカフェ等として利用することが出来るよう、デッキには電源などのインフラを設えるとともに、建物の架構 ( 梁 ) をデッキの上部にも架けている。
こうすることで、例えばタープを張って半屋外のカフェテラスとして使ったり、収穫した野菜の加工場として使う等、居住者によって柔軟な使い方が可能となる。
【自然を再生する】里山環境を整える滞在拠点
地元産材のアテ(能登ヒバ)やスギを利用した木造で全体を構成し、内装材や造作家具にも森林資源を積極的に活用する。
敷地は「里山」を想定しているが、Regenerative Hut がプロトタイプとなり、
様々な場所に広く建築されることで、里山環境や林業が保全されていくことを期待する。